先ほど、小説版「Wake Up, Girls!それぞれの姿」を読み終えました。
WUGの7人がなぜ、オーディションを受けようと思ったのか、その時何を思っていたのかなどが、それぞれの言葉で語られています。
すごく、読みやすいです。普段、あまり本を読まない方でも、全然読み進められると思います。というか、そういう風に作ってくれているんじゃないかな、と感じました。早い人なら、多分、2,3時間もあれば読めると思います。
小説を読んで、改めて思ったんですけど、まあ、面白いわ、WUG。
何より、また、アニメを見たくなりました。
特に、WUGアニメが好きな方、劇場版と本編全12話を見た方には、是非、読んで欲しい内容でした。ただ、逆に言うと、アニメを見ていない方には、物語の繋がりなど分からないかも知れなく、全部を楽しめないと思います。それはとてももったいないので、是非アニメを見て頂いて気に入ったら、この小説にも触れていただきたいと思いました。
簡単ですが、少々、ネタバレを含んで感想を書いてみようと思います。ネタバレされたくないかたは、絶対に、続きを読まないで下さいね!
Wake Up, Girls!(ウェイクアップガールズ)とは
Wake Up, Girls!(ウェイクアップガールズ)というのは、アイドルグループが主人公のアニメーション作品です。略してWUG(ワグ)と言います。
とてもいい名前。
ちなみに、アニメに登場するキャラクターに声をあてている声優さん達が現実でライブをされている時の声優ユニット名称も同名です。
物語的に第0話の位置づけの劇場版、その後、1話〜12話がテレビ放送され、地域により、すでに最終12話まで放送が終了しています。
Wake Up, Girls!未視聴のかたも、今からでも全然遅くないです。むしろ、これからかと僕は思います。気になってる方は、この機会に是非、観ていただきたい。その際は、出来れば、劇場版から観ることをオススメいたします。
劇場版はBD発売されており、これから各話BDも発売されます。バンダイチャンネルやニコニコ動画でもレンタル出来ますので是非。(今も、バンダイチャンネルやニコニコ動画で1~2話の総集編が無料で見られます!)
あと、声優ユニットであるリアルWUGの活動も続いており、先日、東京、大阪、そして舞台である仙台を巡るツアーを発表、5月にはアメリカのシカゴで開催される「Anime Central」に参加、6月には「@JAM」に出演、そして、この夏にはアニサマ出場も決定しているとのこと。
僕は今回このWUGというアニメーションや、リアルでライブをされているWake Up, Girls!を見て感動して、感想などを、ブログに書きなぐっております。お時間のある方は、見てみてくださいね。
●【ネタバレ注意】希望のかけらと、その物語。WAKE UP, GIRLS!(WUG)とは何だったのか。ー まなべや
●WAKE UP, GIRLS!(WUG)のライブを見て感動した話 ー まなべや
7人の経歴
さて、小説は松田さんの独白から始まっています。
もちろん、松田さんの気持ちも書かれているので、それもちょっと面白いです。なんか、がんばろうって思えるし笑
まあ、俺は、松田はあんまがんばんなくていいと思うぞ。
近くで観てるだけでいいじゃないか。それで、いいじゃないか。
内容的には、アニメから少したった場面を書いてくれてもいて、また少し、Wake Up, Girls!の時計の針が進んだ感じがしました。ほんと、少しだけなんですけど、それが妙にうれしかったりします。
アニメで起こった出来事の、その時のWUG7人の気持ちを、非常に丁寧に書き進めてくださっている印象です。
ここでこんなことを思っていたのか、と改めて新しい発見があり、自分の想いとあってたこともそうじゃないこともあったけど、それらを色々思いながらアニメを見直すと、また非常に興味が深くなっていきます。
始めにWUG7人の簡単な経歴が載っているんですが、それが、なんというか、また僕を物語の深みに誘いこみ、また、想いを深くしているところです。この経歴は、必見だと思います。むしろ、個人スピンオフOVAが必要だな、これは。
それぞれの姿
第一章、みなみの物語
アニメでも片山実波は震災後、仮設住宅に住む住人と何らかの関わりがあることが描かれていました。民謡が大好きで、磯川のおばあちゃんのことも語られています。
アニメ第3話で、みなみは間髪入れず、おばあちゃんのところに行き、社長も即それを許しますが、その理由もこの小説の語りから、もう少し深く分かります。
まゆしぃがWUGに入ってきて、自分がソロを歌えなくなったことを一言だけ言葉にしています。これは僕もずっと気になってて、各話感想で書き記して置きたかったことなので、なんか、言葉少なところも妙に心に響く。
小説や、漫画のみなみは、アニメよりも、もっともっと普通の人ぽい感じがしました。アニメを見ていて、みなみはどこか超天才超人系統の人間だと勝手に思ってたこともあってか、みなみもみなみなりに、いろいろ考えてるんだな、と微笑ましく感じました。
うんめーにゃー!のこととか、結構ドキドキしてたんだなとか、気にしてるんだなとか思ったり。
みんなで食べるご飯はうまい。そう、もう、それだけでいいと思える。
やっぱり、みなみの思いやりは、とても深い場所から来ている。食と一緒で、底が見えねえ。
第二章、みゆの物語
「〇〇じゃないですかぁ」がすべて、みゆの声で脳内再生される。
おれ、みゆの声、大好きだな。
アニメ11話のみゆの部屋の衝撃とか、みゆが何故こんなにも疑り深いのかとか、すごく気になってたんですが、少しだけ分かった気がしました。
一連の、みゆの語りがすごく面白くて、かなり笑った。みゆの存在自体が面白い。
「I-1club(アイワンクラブ)」にあこがれていたことや、「メイドin仙台」のこと、オーディションをまだ、受けられないと言った言葉の意味も。
でも、それでも、みゆはまだ、自分の事を話していません。何も話していないと言っていい。
話してくれたのは、ある一言だけ。もしかしたら、それは、心の一番深いところにあって、今後もずっと語られないことなのかもしれない。
ぶっちゃけ言うと、みゆの事が一番気がかりだったんだけど、でも、それはまだ分からないままだった。
だからこそ、みゆの成長物語を、これからも応援したく思う。
そういや、リアルでの声優オーディション合格者が集まる日の、初顔合わせもしていないコンビニかなんかで、山下七海さんが高木美佑さんに、あまりの存在感に初対面にも関わらず合格者と確信して声をかけたとかっていう話を、どこかで見た気がする。何にせよ、それと同じような事が、この小説でも起こります。いや、全然違うかもだけど、むしろ逆なんだけど、なんかそれを思い出したりしていました。
第三章、あいりの物語
和菓子バンザイ。
あいり視点のまゆしぃとの学校での出会いとかすごく新鮮です。
これ、楽しいねえ。
どちらから声をかけたのかは、ここには書きませんが、なんかいいよね。この感じ。
あいりとまゆしぃの間には、なんか、ただならぬものがあるよねえ
誰かのために何かをするというのは、本当に素敵だし、そこからしか頑張りが効かないとも思うし、それは正夢だと思う。ミーハー心がとてもいい方向に発揮されてて、何だか笑った。
しかし、オーディションのこととかも詳細に話してくれてるんだけど、その状況が結構きつくて、何だか分からない不安定な気持ちになるんだよね。登場人物と同じ気持を味わってるというか。少なからず自分のもその経験があるからだと思うんですけど、なんというか、大丈夫、絶対大丈夫だよ、って言ってしまう感じのやつ。
でもね、個人的には、アニメの早坂さんも小説の丹下社長も無理やり引っ張り出そうとしてたけど、何かを持ってるのに、自らで押さえ込んでるふしがあって、でも、そこが良いところでもあるので、むしろ、このままでいいかと思います。
最後、あいりが言った言葉と、まゆしぃがI-1clubオーディション時に白木GMに言った言葉が、同じだったことからも、あいりにも相当なアイドル力が潜(ひそ)んでいるんだと僕も思います。だからこそ、仲良くなれたのかも知れませんね。
ほんと、あいりとまゆしぃの間には、なんか、ただならぬものがあるよねえ
とりあえず、熊谷屋さんに、行かねばだ。
第四章、よしのの物語
よっぴーは、地元仙台でモデルなどをして活躍していますが、まゆしぃとの出会いから、一番複雑な想いを抱えて生きている人物なんだと僕は思います。
まゆしぃへの想いや、リーダーとしての心持ちなんかも、色々話してくれてはいるのですが、それでもまだまだ、全然話していないと思います。むしろ話せるはずもないと思います。ライバル心は、本当に大切な気持ちだから、一人で時間をかけてゆっくりゆっくり自身に馴染ませていってほしいと思います。
もうね、よっぴー、いい。ほんと、いい。
おれ、ほんと駄目なんだよ、こういう話。心の深いところをチクチクされるの。人間の想いって一言で簡単に現せるけど、その奥はぐちゃぐちゃなんですよね。あーWUG、ほんとおもしれえなあ、ってここでもまた思っちまった。
自分が関西出身なのもあって、今はもう無いかもだけど、当時は漠然とした東京へのあこがれとか、自分もそういうのこじらせてたと思う。
よっぴーは怖がりなんだと感じました。それは自分もすごく分かる。何だかよく分からない力の前に負けを認めざるを得ないことを経験してしまうと、それに対する周りの反応とかも含めて、ほんとにどうしようもなく人を怖がらせる。同じ場所で足踏みしてるみたいに空回りはひどくなるし、しかも、それを自分自身が手に取るように分かって、毎日鈍痛のように感じてしまう。
でも、その何もかものすべてが、最後のジャンプに繋がってるんだと思うと、そしてその日、よっぴーが手にしたものの大きさを考えると、ほんと、心にくるものがある。
また、アニメ見なきゃだ。
自分にとって、土足でズカズカ心に踏み込んでくる、美しい物語だった。
よっぴーいいね、すごくいいわ。肩入れしてしまう。
俺も挑戦者の生き様を、自身で見届けてみせるさ。よっぴー、ほんとかっこいいぜ。
第五章、かやの物語
かやは、幼い時に両親をなくし、震災に遭う。大切な友人のことなどをアニメ9話で初めて話してくれる。
その時の気持ちも、この小説で話してくれている。
僕は、かやはすごく強くて優しい人だと思ってるけど、だからこそ、その抱えているものの大きさに圧倒されてしまう。何かを失ったときのどうしようもない気持ちを表す言葉など、この世界には存在しない。
だから、強く優しくなるしかなかったんだと思う。WUGメンバーに対するお姉さんのような、家族のような気持ちの持ち方は、ここから来ていたのだ。これもまた、各話感想に書き記しておきたい。
かやは一人暮らしなんだけど、楽しかった時間が終わったあと、家に着いて一人になった時の感じとかたまらんわ。自分も一人暮らしが長い分、めちゃくちゃ分かって心にズキズキくる。
あと、かやは丹下社長の魂胆を見抜いてるのかもしれないなって思いました。何かそんなようなことも、言ってたし。一番の年長さんだから、なんとなく分かるのかもしれない。
物事を広く見ているようなところがあって、進んで自らの体験を話したり、人の話を沢山聞いたりして、物語を進めていく中心人物なんだよね。WUGの精神的支柱。
かやの声が奏でる言葉のテンポだとかもすごく現れてて、小説読んでるんだけど、これも脳内で声が再生されていくようでした。
とにかく、みゆとかやのコンビ、OK、最高だ。とここに深く記しておきます。
みゆにツッコミを入れているようで、実は、かやがイジラれているというところが、最高ね。
第六章、ななみの物語
ななみは、アニメでも描かれていますが、幼少から「光塚歌劇団」にあこがれていて、最初は、それまでの通過点としてWUGのオーディションを受けたとのこと。
実際に、光塚の人にアドバイスをもらっている描写も小説に描かれていて、この光塚の方のアドバイスがすごく理にかなってて、もっともだな、と色々感じていました。
ななみは、完璧主義者で負けず嫌いだけど、アニメを見ていても、何というか迷ってる人という感じも受けていて、それが、すごく現れてて、面白い。
もう2,3回迷うんじゃないか、とか思ったりしてしまいます。
他者に対する想いが変化していく過程や、自分の変化に戸惑ったりすることも自ら話してくれていて、それが聞いていて面白く、何より自分が一番大切だったななみが、結局、WUGのために頑張ろうということになるまでの、気持ちの大揺れ感がとても興味深いです。
光塚歌劇団を目指すのか、WUGとしてやって行くのか、どちらがいいのか、それは僕にも分からないけど、僕はそれでいいと思っています。本人はどう思っているのか分かりませんが。最後、そんなようなことも言ってたし。
ななみが持つライバル心もよっぴーのそれと似ているところがあって、非常に気になります。
とにかく、ななみは技術的にWUGを支えている中心人物で、それを本人も分かってしまっているところに趣があって、これが、またすごくいい。だからこそ、まゆしぃのオーラの話や、みにゃみの食レポでの立ち回りだとか、そのすごく素直な受け取り方を垣間見せたところに、ななみの良さが溢れていて、とてもいいなと強く感じました。
中でも、特にみなみとの話が興味深かった。待ち合わせして一緒にコンビニに行くとか、すごくいいやん。うまく友達を作れなかったりする時って誰にでもあるし、それを乗り越える時って、失敗からだったりするもんなんですよね。一緒にいることとか、時間とかってすごく大切なんだなと思いました。
あと、ななみもいじられキャラだと思うので、もっと、みゆやよっぴーにいじられて欲しいと思います。是非おねがいいたします。是非。
第七章、まゆの物語
島田真夢は、I-1clubの元センターだったのですが、様々な理由から、今はWUGのメンバーとして、仙台でアイドル活動しています。東京から仙台に引越してきてからの、中学での話、高校であいりに合う話、i-1clubでの話、いろんなことを自ら話してくれています。
どれも、とても興味深い。
中でも、お母さんとお父さんのことが描かれていて、それも、心の深いところに閉まっていることなのかと感じていました。
I-1clubで、初めてセンターに抜擢される際の心の動きや、その時の白木の一言が胸にせまる。
どういった経緯で、またアイドルをやる気持ちになったかとかも描かれていて、それがまた、アニメとリンクしたりして非常に面白いです。
とにかく、必見。
島田真夢が、自分を幸せにしたいと言ったとき、僕はすごく納得できて、だからこそ、それこそがこのWake Up, Girls!という一連の物語を繋ごうとする、大切な一言になっているんだと改めて感じてもいました。
ただ、I-1club時代に実感してしまったことや、その方法が染み付いているだろう言動もあったりして、一抹の不安がよぎったのも事実です。
これから先も、決して安泰ではないだろうことが、感じられる物語でした。
最後に
小説版「Wake Up, Girls!それぞれの姿」、すごく面白かったです。
Wake Up, Girls!を見たことがある方は、本当に楽しめると思います。これから見るよ、という方も是非、アニメ視聴後に読んで頂きたいと思いました。
それでも、まだまだ語られていないことばかりだとも感じています。
アニメの方も小説のほうも、大手レコード会社から連絡があり、メジャーデビューなるかどうか、というところで終わっていて、WUGメンバーがどう思っているかの描写もあり、とても先が気になります。
僕個人的には、縦に向かうんじゃなくて、ゲリラ的に横のつながりが出来ていく流れが大好きなので、東京でメジャーデビューする必要など無いと思っているのですが、とにかく、どう転んでいくのか、とても楽しみではあります。
まさに、ロックンロールですな!
いつか、また、その物語が動き出す日を、とても楽しみにしております。
勝手ばかり長文乱文にも関わらず、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
著者の待田堂子さん、素敵な作品を、ありがとうございます。
●著者 待田堂子さんTwitter
https://twitter.com/sakuribo
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